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公と民 危機管理についての意識

口蹄疫に限らず、昨年度の豚インフルエンザや地震などの自然災害、事件、事故の際は、迅速で適切な対応が要求されます。

そういった時の公の役割がとても大きいことは、政府が機能していないイラクやアフガニスタン、ハイチの状況を見ればよく分るとおり。たとえ平時に暇そうにしている公務員も、一旦そういった事態に直面すると、馬車馬のように働かされることになります。
私も経験がありますが、そうなると、もうモチベーションだの何だのとは言っていられません。よれよれになっても、ヘトヘトになっても、とにかく終わるまでくたばらずに耐えるだけです。それはもう兵隊と同じレベルです。そういう次元では、仕事とは単に頭数になるということであり、集団への所属意識と報酬だけが心を支えます。

指示を出す方は大きな責任を負っていますから、上層部が真剣であればあるほど対応の規模は大きくなり、現場はしんどくなります。その対応にたとえ問題が無くても批判はされるし、文句は言われるし、叩かれもするわけで、公の仕事ならではのしんどさを味わうことになります。

民間の場合だと、責任範囲は最初から自分で決めておくことができます。負えない責任は最初から負わずに済ますことが可能です。けれども行政の場合そんなわけにはいきません。そもそもその外側の領域を仕事の範囲としているからです。
そういう意味で公の仕事は民間と比べ、大変な部分があります。一方、民間は生活の基盤と直結しているという切実さがありますが、基本的には無理なことには関わらない自由があります。

危機管理への対応は、阪神大震災以降とても重視されるようになり、その能力も向上してきました。ただ、逃げることのできる民間と、基本的に逃げられない公とでは、それへの考え方が根本的に違います。
公のためか私のためか、危機管理対応への考え方・意識は、公と民の違いが大きく出る領域だと思います。

感覚の違いについて

公務員の場合、身分は法律に基づいており、その服務規程もきちんと定められており、それを守ることが基本です。
全体の奉仕者として、公共の福祉のために、というやつです。

ところが民間の場合、そんなものはありません。企業によって様々です。
役所より意識の高いところもあれば、ほとんど犯罪集団みたいなところもあるわけです。

こう書いてしまうのは簡単ですが、この感覚を実際に理解するのはかなり難しいかもしれません。
コスト意識についても、行政は少なくとも表面上、その努力をアピールするのが普通です。
民間の方がきちんとやってるだろうと思うかも知れませんが、やはり社長の肚一つです。
ずさんな経営をしている会社は当然、コスト感覚もいい加減で、それを改善しようとするとかえって疎まれることも有り得ます。

簡単に言えば、公務員の美徳というものが、必ずしも企業でも美徳とされるとは限らないのです。
会社には会社の掟があったりします。それが社会的に悪とされるものである場合もあるのです。
自分に合う企業かそうでないかを、そういったところから見抜く必要があります。

転職市場とは

企業への就職には、おおまかに新卒、中途、定年後の再就職の3つのルートがあります。

新卒は一度きりのチャンスで、それ以外は中途となります。新卒は新人としての扱いになりますが、中途の場合基本的には年齢によって扱いが異なってきます。
まだ新卒と変わらないくらいだと、経験などないので、買われるのはほとんど将来性だけですが、一定以上の年齢になると、それまでに身に付けたものが求められます。そしてまた一定以上の年齢となると、リーダーとして組織をまとめる能力や、すでに身に付けた高い専門能力が期待されます。

中途採用の市場は、基本的にそのような需要からなっており、年齢・能力・給料がセットになっています。
日本はもともと終身雇用、年功序列でしたから、年齢が上がるほど給料も上がるという意識があります。実際、能力は経験によって磨かれるし、家の購入や子供の養育という家計の支出要因は年齢と連動するので、それらとの整合も取れるという考え方です。

そして再就職は、年金がもらえるようになるまでのつなぎの仕事で、職業人としてのおまけみたいなものです。名誉職的な地位で高給を得る天下りというのは、ごく限られた人だけに用意されたもので、無事に公務員人生を全うしたご褒美みたいなものといえます。

ただ、こういったものは人の生き方を固定しています。その線に沿った生き方の人には良いのですが、違う人は非常に不利な状況に置かれてしまいます。新卒で就職するのがスタートという前提から始まっていますから、就職難でそのチャンスを逃すと最初からそのレールにも乗れません。それがロスジェネを生み、社会問題にもなっています。

日本の社会はすでに成熟して豊かになっているので、多様な生き方を選ぶことができるはずです。けれども現実にはそういった見えない障壁が邪魔をしています。もし同一価値労働同一賃金という考えが根づいているならば、真に自由な労働力の移動が可能でしょう。でもそうはなっていません。すでに高い待遇を得ている人達からすれば既得権を失うことにつながるので、移行も簡単ではないでしょう。

このような仕組みは今や未婚率を高め、少子化を加速させていると思います。
子供がいてもいなくても、年齢が上がるに連れて収入が増えるのであれば、その収入を自分だけのために使おうと考える人が増えるのは当然だからです。

そういうわけで、転職市場とは、基本的にはレールの上でのみ成立しており、結構制約の多いものだと考える必要があります。

人材紹介業のカラクリ

転職サイトなどを見ていると、人材紹介会社というものの存在を目にします。

企業が直接広告を出して募集するのではなく、このような会社が間に入って求人企業と求職者を結びつけるもので、転職が成立した時に求人企業から成功報酬をもらっています。
成功報酬は一件につき、その人の月給の3ヶ月分というような感じだそうです。

よく転職サイトでスカウトというのがありますが、これは転職が成立しそうな人を見つけて声をかけているようなものです。経歴書の内容と求人内容を見て、成立しそうなものを選んでいるわけです。経歴書というカタログを見ているだけです。

基本的には商売ですから、転職を成立させなければ食っていけません。彼らの目的は案件の成立であって、求人企業や求職者の満足とは必ずしも一致しません。少しでも成立しやすいよう、互いに相手を良く見せようとするでしょう。
問題のある企業だと分っていても、目先の案件成立が欲しければ黙っていることもあるでしょう。
彼らは求職者の立場に立って相談に乗ってくれる役回りではないのです。

例えば、車を買う場合、買うまではセールスマンはとても愛想が良く、何を聞いてもいろんなことを丁寧に説明してくれますが、買う意志がないと分ったとたん、素っ気ない態度になります。それと同じです。
人材紹介会社にとって求職者は所詮飯のネタに過ぎないのだと心得ておく必要があります。

なので人材紹介会社の言うことは、セールスマンの甘言だと思って割り引いて聞かなくてはなりません。
ただ、彼らに注目されることはチャンスを手にすることでもあるので、いかに注目されるかということは大事ではあります。

街でスカウトに声をかけられて芸能界に、といった話はよく聞きますが、基本的にはそれと同じ世界です。
良いスカウトもいれば、関わりたくないスカウトもいる、と思っていた方が良いと思います。

参考:人材コンサルタントに騙されるな! (PHP新書)

中小企業を選ぶ際の注意点

個人で仕事をするのでない限り、必ず上の人間が存在します。

役所組織ではたいてい頻繁に異動がありますから、上司も定期的に変わります。だからどんな嫌な上司でも、数年で変わると思えば我慢もできます。外郭団体やノンキャリアの職員の場合はあまり異動がなく、当てはまらないのかもしれませんが、人間関係の風通しというのは職場環境に大きな影響を与えます。

中小企業の場合、そもそも異動というものが存在しないと考えて下さい。
基本は、何十年も同じところで、同じ顔ぶれで、同じ仕事をしている個人商店のイメージです。そういうところに就職することを想像すれば分りますが、共に働く人たち、特に社長との相性の良し悪しが決定的に重要です。

もし反りが合わなくても、彼らが目の前からいなくなることはないので、自分が職場を変える以外ないのです。
仮に意見が対立しても、正しいことは話せば分ると思うかもしれません。でも、公務員は法令という客観的な枠の中にいるのでそれぞれが決定的に対立することはありませんが、民間の場合、そうとは限りません。すべて社長の肚一つなのです。

特に、中小企業の社長というのは、アクの強い人が多いものです。小さくとも自分が組織のトップですから、プライドが高く、他人から意見をされることに慣れていません。議論すら出来ない人も珍しくありません。
また、夫婦で会社を切り盛りしているケースも多く、社員の扱いや人間関係において、それまでの感覚では理解できないようなこともあったりします。

それが自分の受け入れられる範囲なら良いのですが、あまりに脱法的であったり、堂々と違法なことをやっている会社だと、公務員として築いてきたアイデンティティと相容れなくなり、苦痛を感じるでしょう。たとえ社長にかけあったとしても、分ってもらえると期待するのはやめた方が良いと思います。

以前、そして今でも時々食品の偽装事件が時々ニュースになっています。
食品会社というのはたいてい中小企業で、悪いことをやっていてバレたからニュースになっているわけですが、会見の場でのやりとりを思い出して下さい。「社長、正直に話して下さい」といって偽装を認めるよう説得された社長やもいましたが、あのような人の下で働くことになる可能性もあるのです。

もちろん大企業や役所にも違法・脱法行為などの悪はあり、善良な中小企業もたくさんあるわけですが、発信源である社長との距離が近く、人間関係の風通しが悪い分、中小企業では逃げ場がなくて息苦しくなります。
なので、仕事の内容といったことも大事ですが、会社の雰囲気、社長の人間性、そういったものを何よりもしっかりと見極める必要があります。

プロフィール

指南人

Author:指南人
公務員が民間に移って働こうとした時に判らないこと、困ること、そんなことを書いていきたいと思います。必要な方は参考にしてください。ご質問・ご相談はこちら
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